病院・介護施設のレジオネラ属菌検出数とその対応策|素早い業者への依頼が必要

病院と介護施設のレジオネラ属菌対策|防カビ技研
LEGIONELLA  /  CARE FACILITY

介護施設でレジオネラが検出されたら
解決が遅れる理由と相談先

検出されてからでも、正しい順番で動けば必ず収束します。最短で収めるコツは「すぐ動いてくれる相談先」を先に知っておくことです。

この記事のまとめ(先に結論)
  • 検出されたら、まず保健所へ報告 → 感染防止のため入浴を一時停止 → 洗浄してから消毒 → 再検査で不検出を確認 → 入浴サービス再開、という流れ。
  • 介護施設は公衆浴場法・旅館業法の「適用外」だが、利用者が要介護高齢者=最も重症化しやすいため、実質的にはより高い衛生管理が求められる。
  • 温浴施設と違い、介護施設は普段から専門業者と付き合いがないため、検出されてから業者を探すことになり、入浴停止が長引きやすい。
  • 困ったときの駆け込み先を持っておくことが、解決を早め、再発を防ぐ最善策。
SUPERVISOR · 監修 麻布大学 名誉教授 古畑 勝則 特許第2060821号に基づいた除菌剤を採用/公的衛生機関のエビデンスあり。
一般社団法人 抗菌防カビ清掃技術研究所(防カビ技研)会員100名。
2,4192024年 全国届出数(前年比+6.2%)
62.8%循環式浴槽水の検出率※特養調査
10–21検出後の入浴停止の目安
100会員ネットワーク(駆け込み先)
BACKGROUND

なぜ今、介護施設のレジオネラ対策なのか

レジオネラ症は、いま増加傾向にある感染症です。全国の届出数は2024年に約2,419例で、前年比+6.2%。そしてもともと、報告される患者の75〜80%は50歳を超えた方が占める、高齢者を中心とした感染症です。

介護施設の利用者は、まさにこの「重症化しやすい層」そのものです。高齢で免疫力が落ちている方、糖尿病・心疾患・呼吸器疾患などの基礎疾患をお持ちの方、要介護で誤嚥リスクの高い方——健康な成人なら無症状で済むレジオネラ症が、介護施設の利用者にとっては命に関わります。

実際に起きた被害事例

中国地方のある介護老人保健施設では、入所者4名がレジオネラに感染し、80代の男性入所者が亡くなりました。このケースでは、女性用浴槽の水から基準値を超えるレジオネラ属菌が検出されています。「浴槽が感染源になり得る」ことを示す、重い事例です。

レジオネラ症患者の年齢傾向(高齢者中心の感染症)
RISK STRUCTURE

介護施設ならではの「3つの事情」

CASE 01

法律の「適用外」。でも、やるべきことは実質同じ

介護施設の入浴設備は公衆浴場法・旅館業法の適用を受けず、法律上の維持管理義務がありません。しかし厚生労働省は、残留塩素0.4mg/L以上、循環式・機械浴槽は年1回以上のレジオネラ検査など、温浴施設に準じた管理を求めています。「縛られていない=やらなくていい」ではないのです。

CASE 02

利用者が「最も重症化しやすい人たち」

高齢・基礎疾患・要介護という、レジオネラ症で最も重症化しやすい条件が重なっています。エアロゾル(細かな水しぶき)を吸い込んで感染するため、入浴中はとくに注意が必要です。

CASE 03

機械浴は「最もリスクの高い」入浴設備

ストレッチャー浴・チェア浴の機械浴槽は、配管が長くバイオフィルムが付きやすい/補助水槽に水が残りやすい/カートリッジ式ろ過器は毎使用日の清掃が必要/利用日と非利用日で滞留水が生じやすい、と構造的にリスクが高い設備です。

参考として、東京都が特別養護老人ホーム131施設を調査した結果(1998〜2000年)では、循環式浴槽水(24時間風呂)の62.8%からレジオネラ属菌が検出されました。一方で、毎日全換水する普通の浴槽からはまったく検出されていません。「循環させる構造」と「日々の管理」こそが分かれ目だということがわかります。

介護施設で最もリスクの高い機械浴槽の構造とリスクポイント
RESPONSE FLOW

レジオネラが検出されたときの対応フロー(介護施設版)

レジオネラが検出されてからの流れは、おおむね次の6ステップです。

1
発生

自主検査での検出、または利用者の体調不良(肺炎症状)から判明。

2
報告

直ちに管轄の保健所へ報告。図面・維持管理記録・残留塩素の記録・水質検査結果書を準備。

3
調査

保健所による残留塩素測定・水質検査(培養は結果判明まで約7〜14日)・管理状況の確認・感染経路の特定。

4
改善

浴槽・配管の徹底洗浄→消毒。バイオフィルム除去、高濃度塩素(5〜10mg/L)消毒、必要に応じてろ材・フィルター交換。

5
確認

再検査でレジオネラ属菌が「不検出」になることを確認。

6
再開

安全が確認できたら入浴サービスを再開。

注意点

介護施設は公衆浴場法の営業許可施設ではないため、行政から「営業停止命令」が出るわけではありません。ただし、感染防止のために施設の判断で入浴サービスを止めざるを得ないのが実情です。再検査で「不検出」が確認されるまで、入浴は再開できません。

防カビ技研の会員によるプロの浴槽・配管の洗浄・除菌
THE KEY POINT

なぜ、介護施設は解決が遅れるのか

温浴施設との決定的な違い

温浴施設は法律で衛生管理が義務づけられているため、保健所や専門の洗浄業者と日頃から関わりがあります。だから検出されても「すぐに連絡できる駆け込み先」を知っているのです。一方、介護施設は法令適用外で、普段から配管洗浄の専門業者と付き合いがあるケースはまれ。その結果——

1検出されて、初めて慌てる
2どこに頼めばいいか分からない
3業者を探すところから始まる
その間ずっと、入浴サービスは止まったまま
停止は10日〜3週間

スムーズに再開できたケースでも、短くて10日〜3週間は止まりやすい。高濃度での検出や、貯湯槽・源泉側での検出は汚染が深刻で、再開まで長期化しやすい傾向です。

再発は信頼ダメージ

再発すると「管理体制そのもの」が疑われます。口コミやSNSでの拡散で、入浴停止の直接損失以上に、信用のダメージが尾を引きます。

現場の負担も増える

入浴が止まると、清拭対応への切り替え、利用者・ご家族への説明、職員の負担増といった現実的な影響も重なります。

どこに頼めばいい?──いざというときの相談先を平時から持っておく
結論だからこそ、「いざというときの相談先」を平時から持っておくことが、最大のリスク管理になります。
CONSULTATION

困ったときの駆け込み寺|防カビ技研にご相談ください

防カビ技研(一般社団法人 抗菌防カビ清掃技術研究所)は、衛生管理の研究・教育・普及を行う団体です。当研究所自体は一般社団法人のため、施工そのものは行いません。

その代わり、防カビ技研にはレジオネラ対応の実務に精通した専門事業者のネットワークがあります。介護施設でレジオネラが検出されてお困りの際は、すぐに動ける専門事業者をご紹介できます。会員100名のネットワークが、施設の「困ったときの駆け込み先」になります。

  • レジオネラが検出された/保健所から指導を受けた
  • 機械浴や循環式浴槽の配管洗浄を、どこに頼めばいいか分からない
  • 再発させない管理体制を整えたい

——こうしたお悩みは、まず防カビ技研にご相談ください。状況をうかがい、最適な対応につなぎます。

ご相談の流れ|お問い合わせはこちら
PREVENTION

再発させないための管理|予防こそ最強のコスト対策

検出事例の傾向が教えてくれる結論はシンプルです。「出てから洗う」のではなく、「出ない管理体制をつくる」こと。 これが、結果的に最もコスト効率の良いレジオネラ対策になります。

日常・週次・年次の管理

  • 毎日:集毛器(ヘアキャッチャー)の清掃、残留塩素濃度の測定・記録
  • 週1回以上:ろ過器の逆洗、消毒
  • 月1回:配管内のバイオフィルムをリセット
  • 年1回以上:専門業者による配管の徹底洗浄(バイオフィルムの完全除去)

鉄則は「洗浄してから消毒」

汚れやバイオフィルムが残ったまま消毒剤を入れても、消毒剤は汚れに消費され、膜に守られた菌には届きません。まず洗浄で汚れ・バイオフィルムを物理的に除去し、それから消毒する——この順序を絶対に逆にしないことが、確実な対策の基本です。

配管洗浄と月1回のリセットに「湯泡美」

防カビ技研が活用をおすすめしているのが、特許第2060821号に基づいた除菌剤「湯泡美(ゆわみ)」です。

湯泡美セット(オールインワン)配管洗浄剤
PIPE CLEANING

配管洗浄に|湯泡美セット(オールインワン)

酸性洗浄剤・アルカリ性洗浄剤・生物膜浸透型除菌剤(湯泡美)・中和剤を組み合わせた4ステップで、スケール・有機物・バイオフィルムをまとめて洗浄します。

配管洗浄剤・湯泡美のページへ
湯泡美単体(浴槽水の洗浄・除菌)
MONTHLY RESET

月1回のリセットに|湯泡美単体

浴槽に投入して循環させるだけで、配管内のバイオフィルム対策ができます。塩素ガスを発生させず配管を傷めないため、入浴を止めずに使えるのが特長です。

浴槽水の洗浄・除菌・湯泡美のページへ
VERIFICATION

第三者検証|学会発表・公的衛生機関のエビデンス

湯泡美の主成分(第4級アンモニウム塩と抗菌剤の混合薬剤)については、公的衛生機関による検証結果が学会発表で報告されています。レジオネラ属菌が検出された温泉入浴施設で、営業を続けながらこの薬剤を浴槽水の除菌と配管洗浄に試用したところ——

試用前

配管の循環吸水口から、1cm²あたり10,000 CFUを超えるレジオネラ属菌と多数のアメーバが検出され、バイオフィルムの存在が示唆された。

試用中

レジオネラ属菌・アメーバともに不検出となり、除菌・洗浄の効果が認められた。

配管洗浄時

目視で確認できる汚れの流出があり、バイオフィルムの除去効果が推察された。

この結果から見えてくる、現実的でコスト効率の良い使い方が——毎週は高濃度塩素消毒、月1回は湯泡美で生物膜(バイオフィルム)をリセットという組み合わせです。高濃度塩素では届きにくいバイオフィルムの「根こそぎ対策」を、月1回の湯泡美が担うイメージです。

FAQ

よくある質問

介護施設の浴槽は、法律でレジオネラ検査が義務づけられていますか?
介護施設の入浴設備は公衆浴場法・旅館業法の適用外で、法律上の義務はありません。ただし厚生労働省は、循環式浴槽や機械浴槽について年1回以上のレジオネラ検査など、温浴施設に準じた管理を求めています。利用者が重症化しやすい高齢者であるため、実質的にはより高い衛生管理が必要です。
レジオネラが検出されたら、入浴は何日くらい止まりますか?
状況によりますが、比較的スムーズに再開できたケースでも、短くて10日〜3週間程度は止まりやすい傾向があります。再検査で「不検出」が確認されるまで入浴は再開できないため、対応業者の手配が遅れるほど停止期間は長くなります。
機械浴はなぜレジオネラのリスクが高いのですか?
配管経路が長くバイオフィルムが形成されやすいこと、補助水槽に水が残りやすいこと、利用日と非利用日で滞留水が生じやすいことなどが理由です。介護施設で最もリスクの高い入浴設備とされています。
防カビ技研は配管洗浄をしてくれますか?
防カビ技研は一般社団法人のため、施工そのものは行いません。代わりに、レジオネラ対応に精通した専門事業者をご紹介します。まずはご相談ください。
湯泡美はどのように使うのですか?
配管洗浄には4ステップの「湯泡美セット(オールインワン)」を、月1回のバイオフィルムのリセットには「湯泡美単体」を使います。塩素ガスを発生させず配管を傷めないため、入浴を止めずに使える点が特長です。
すでに保健所から指導を受けています。今からでも相談できますか?
もちろんです。検出後の初動から再発防止の体制づくりまで対応できる事業者をご紹介します。お早めにご相談ください。

レジオネラが検出されてお困りの介護施設の方へ

「どこに頼めばいいか分からない」その時間が、入浴停止を長引かせます。
防カビ技研が、すぐ動ける専門事業者へおつなぎします。予防の体制づくりのご相談も歓迎です。

お問い合わせはこちら 一般社団法人 抗菌防カビ清掃技術研究所(防カビ技研)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。